かわいいとおいしい

そのために生きている

相川茉穂ちゃん

2013年の冬からじわじわとハロー!プロジェクトのファンに戻った私は、年単位でゆっくりじっくりと『推し』の数を増やしていきました。

スマイレージ時代は正直誰を応援しているわけでもなく、言うならば箱推しアンジュルムへの増員改名も、増員自体は肯定的でしたが、改名は1mmも理解できませんでした。アンジュルムになってはじめてのシングル、大器晩成のインパクトはそれはもう強く残っています。華があって研修生時代から有名だった佐々木莉佳子ちゃん。抜群のパフォーマンスでデビューシングルからソロパートを掴んだ室田瑞希ちゃん。そして、どうしてその二人と並んで加入することになったのかよくわからない相川茉穂ちゃん。アンジュルム3期への最初のイメージは、そんなものでした。

大器晩成が発表された当初、私はまず室田瑞希ちゃんに惹かれて、いままでにない前のめりな気持ちでアンジュルムというグループを追いかけていたことを覚えています。気持ちが強く変わったのは、9人体制になって2枚目のシングル、3期がフィーチャーされた『魔法使いサリー』を見たときでした。

アンジュルム『魔法使いサリー』(ANGERME [Sally the Witch]) (Promotion edit) - YouTube

それまで、佐々木莉佳子ちゃんのようなエースでも室田瑞希ちゃんのようなパフォーマーでもなかった相川茉穂ちゃんのはじめてのきちんとしたソロパートで、私は彼女の声にどうしようもなく惹かれました。おっとりしたいかにも“綺麗なお姉さん”という声。歌が特別上手なわけでも、顔が特別好みなわけでも、ぜんぜんないのに、好きになってしょうがありませんでした。これまで私が好きになってきた女の子たちは、歴史に名を刻むほど歌がうまかったり、世間一般にはどう言われようと、私の感覚しては世界でいちばん可愛かったり(そういうことがよくある)、そんな子ばかりで、かつ、エース級といわれる子が多かったのですが、そんな中であいあいみたいな女の子をこんなに好きになるなんて、自分自身ぜんぜん想像していなかったわけです。あいあいが私の中でそれまでと違ったのは、「どうしてこんなに好きなのかわからない」という感覚を教えてくれたことです。今思うと、あいあいはとても愛に溢れている人で、その愛を伝染させられる魅力のある人だったのかなぁなんて思います。

アンジュルム 「夕暮れ 恋の時間」 Live HD - YouTube

あいあいはスマイレージが大好きな女の子でした。決してもらえるパートは多くないし、アンジュルムになってカッコいい、強い曲が多くなる中で、この子はスマイレージイズムが流れているんだなぁと思ったことが何度もなんどもありました。

アンジュルム『愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間』(Promotion Edit) - YouTube

そんな中であいあいはパフォーマーとしてもこつこつと成長し続けて、もともと安定していた歌声で長尺のソロパートを掴み取ったし、卒業した田村芽実ちゃんのパートを引き継いで、頑張ってがなり声を出そうとしている姿にも心を打たれました。あいあいはきっともっと成長してくれるし、もっともっと美しい姿を見せてくれる。そう思っていました。

ニュース詳細|ハロー!プロジェクト オフィシャルサイト

どうやら、あいあいが体調不良らしいということは感じていました。この時期は自分のプライベートの用事が忙しく、現場絶ちしていた頃だったので、映像やコメントで知るしかなかったので、私は結局2017年に一度もあいあいの姿を見ることができませんでした。それでも、アンジュルムのことが好きな彼女は戻ってきてくれる、なにより本人がそう言っているのだから、私は待つ、そう思いました。

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当然、簡単な病気なのではないわけだから、年単位で待つことも覚悟しているし、それでもあいあいが戻ると言ってくれたなら私は何があっても受け入れるし、絶対に戦う、そんな気持ちでいました。

一方で、進化し続けるアンジュルムハロー!プロジェクトの波に、本当にあいあいが戻って来られるんだろうかと不安になることも増えてきました。パニック障害のような病気が『完治』するのだろうか? また舞台に立つことができるのだろうか? 私たちは、彼女の負担にならずにいられるだろうか? 不安な気持ちが日に日に大きくなっていくのを感じました。

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正直、いちばん最初に感じた思いは「もう待たなくていいんだ」でした。それほど疲れてしまっていたのかと、冷静に自分を確認しました。それと同時に、7月の発表でもそうでしたが、あいあいの症状が快方に向かっていて、大好きな写真のことを勉強しながら大学にも通えているというのが本当に本当に嬉しくて、あいあいがどこかで幸せに生きていてくれるのなら、こんなに良いことはないじゃないかと素直に思えたのも事実です。できることなら、その姿を見ていたかったと思うのですが、そんな女の子の大事な一生を、ただのファンのエゴで潰してはいけない、そう思うから、私は大丈夫です。

最後まで、あいあいはたくさん迷っただろうし、不安もいっぱいあったと思う。でも、やっぱりあいあいは優しい人だから、私たちのことを解放してくれたのかなとそう思います。

アンジュルムとして活動させていただいていた期間、とても幸せでした。

本当に最後の最後まで優しい子だなぁと思います。そんなこと思ってくれているだけでとても嬉しい。あいあい、ありがとう。本当に本当に大好きです。いつまでもあいあいが幸せでありますように!